40年前に購入された片肘ソファの布地張替と座面内部コイルスプリング周辺の補修をさせていただきました。お客様からこのソファについてお話を伺うと、ソファを見るたび新卒のお給料の約3か月分で買った40年前のことを鮮明に思い出すと懐かしんでおられました。捨てるか直すか決めかねておられましたが、思い出の詰まったソファですのできれいな状態に戻してもう一度座ってみたいというお気持ちが強くなり、ご依頼いただくことになりました。このソファが、これからまた40年お客様に寄り添うことができるようにと、座面のコイルスプリングを支える力帯(チカラオビ)の補強を含めた目に見えない箇所の補修も一緒にさせていただくことになりました。
張地を購入当時のサーモンピンクから、深みのあるモスグリーンに変更。高級感あふれる雰囲気に変わりましたね。ウレタンも補充しているのでいくらかふっくらした印象をうけます。
モケット生地は角度により陰影がはっきり出るので、こういうボタン締め加工は効果的ですね。ダイヤ型にキルティング加工した中心にボタン締めするのではなく、生地自体を絞り込んでボタン締めする手仕事です。
座面裏の力帯の写真。タッカ針が浮いているのがわかります。そして見えにくいですがコイルスプリングの姿が。幸いスプリング自体はヘタリが少なかったのでそのまま使えました。大事に使っておられたことがわかります。